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まめぞう見聞録

まめぞう見聞録

【まめぞう見聞録】VOL.24

《『昔ながらの調理器具』》

 さて、今年最初の“まめぞう見聞録”は「昔ながらの調理器具」です。

 皆さんはこれらの道具、見たことや使ったことはありますか?

 今回は「昔ながらの調理器具」を栄養士のUさんに教えてもらいました。


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 これらの道具、最近は見かけることが少なくなりましたが、なんだかわかりますか?
 左はお湯を沸かす鉄瓶、右はご飯を炊く飯釜でどちらも鉄でできています。

 昭和の初め頃までは家庭でも鉄瓶や飯釜が多く使われていたようですが、最近は色々と便利な商品もあり、これらの道具を使うことも少なくなっているようです。


 鉄瓶は元々お茶用の湯を沸かす「茶釜」から発展した道具です。

 使い込まれた鉄の茶釜や鉄瓶で沸かしたお湯は柔らかくなり口当たりが良くなるので、日本茶を煎れるには非常に適した道具と言えます。

 また最近は海外でも鉄瓶が人気になっていることからもわかるように、鉄瓶には独特の趣がありますね。

 そして右の飯釜。

 直火で炊いたご飯は一粒ひとつぶが立っていてつやつやです♪♪

 写真の飯釜は鉄でできていますが、鉄の他にも土鍋やアルミ製など様々の飯釜があります。

 今はどこの家庭でもガスや電気が普及しており、ガスや電気を使って炊飯器でご飯を炊きますが、一般家庭に炊飯器が普及する前は、鍋での炊飯が日常で“かまど”の直火での炊飯か、ガスが普及し始めてからは、ガスコンロやガス釜で直火、もしくは直火に近い状態で炊飯をしていました。

 最近では炊飯器の内釜に鉄を用いているメーカーや直火の火力をできる限り再現した炊飯器も発売されており、炊きあがりの味も非常に良くなっていますが、やはり直火で炊いたごはんの香りは別格です。
 鉄といえば……

 私たち栄養士は鉄分不足を栄養指導の際に説明したり、献立を立てる際、鉄分摂取を促すために献立内容に工夫を凝らしたりしますが、食品中に含まれる鉄分は三価鉄で、胃酸などの消化酵素による反応を経ないと吸収されやすい二価鉄にはなりません。

 しかし使い込まれた鉄の調理器具を使用すると、表面から吸収されやすい二価鉄が溶けだします。

 最近の日本人における鉄分摂取不足の原因の一つには調理器具が様変わりしたことを上げる説もあるようですが、鉄の調理器を使う場合には「調理器から溶け出した鉄分を摂取できる」という際立ったメリットがあるのです。

 ただし、最近は手入れのし易さを考慮して、表面にサビ止め加工を施してある鉄の調理器具もあります。
 これらについては、溶け出す鉄の摂取は期待できないので要注意です。
鉄の調理器は手入れや維持が難しいと感じる方も多いようですが、洗うときには洗剤を使用せずに汚れを落とし、あとは軽く火にかけてしっかり乾燥させておくだけなので、実はとても簡単です。

しかも質の良いものを購入すれば100年以上使える非常にエコな道具でもあります。

 さて、今回ご紹介した調理器具はいずれも少し時間に余裕がないと「使う暇がない」「使いこなせない」と感じる方もいると思います。ですが、数か月に1度でもこれらの道具を使用することで、いつもとは違った“別格”の味や香り、雰囲気を味わうことができるのではないでしょうか。

 私たち栄養士は多くの方に食事指導やアドバイスをさせていただきますが、最近では夫婦共働きや一人暮らしで非常に忙しい毎日を過ごしている方も多く、改善を促しても簡単には受け入れて頂けなかったり、実行が難しいという場合があると思います。

そんな場合には、食生活のアドバイスから進めるのではなく、これらの道具に興味を持っていただき、少しづつ食事の楽しみや別格の味わいを感じていただきながら、日々の食事について振り返る機会につなげていくというのも方法の一つとして自分の引き出しに入れておいても良いかもしれませんね。

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なるほど〜。ちなみに僕の親戚にあたる大豆は鉄で炊き上げるとふっくらするって聞いたことがあるよ。

今はなんでもスピーディーが良しとされるけど、今回のような話を聞くと今の世の中は何か大事なものを置き忘れてきてしまった気もするね〜。

僕もたまには時間をかけて別格を味わいたいけど、まめたろうは……別格より量が重要みたい。